祭典・神事
古傳新嘗祭
辺りが暗闇に閉ざされ、静まり返った午後7時頃、拝殿からの「オジャレモォ(お出でませ)」の声が境内に響き渡ると、國造以下神職たちが参進。薄暗い燈明だけが殿内をかすかに照らす拝殿にて、國造は古式のままに神火・神水にて調理された新穀の御飯と醴酒(ひとよざけ)を天地四方の神々に供し、自らも食して相嘗の儀を行ないました。その後、國造は熊野大社より拝戴した燧臼(ひきりうす)に「新嘗祭御燧臼」と墨書し、真名井(神聖な井戸)より取り出した小石にて「歯固めの儀」、そして榊の小枝を両手に捧げ持ち、神歌に合わせて神舞を舞う「百番の舞」をお仕えしました。
この相嘗の儀と神舞によって國造は神々の霊力をその身に宿し、歯固めの儀にて更なる健康長寿を祈ります。こうして冬の訪れと共に低減した祖神よりの霊力が蘇るのであり、古伝新嘗祭は古くより國造自身にとって最も重大な祭事として奉仕されてきました。
また境内の釜社より拝殿内へと奉安された御釜にて、神職が御釜の周りを巡る「御釜神事」も行なわれ、五穀豊穣への感謝と来年の更なる豊作の祈りが捧げられました。
基本情報
日 程 | 令和3年11月23日 |
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