奉納・行事

「出雲大社遷宮の杜」協定書調印式

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この度、株式会社田部代表取締役社長 田部長右衛門様からの有難いお申し出により、出雲大社の将来の御遷宮で社殿などの屋根に用いる「檜皮(ひわだ)」をご奉納いただけることとなりました。
「檜皮」は樹齢70年以上のヒノキの立ち木から樹皮を剝いで成型したものをいいます。この檜皮を用いて葺いた屋根を檜皮葺きと呼び、古来から宮殿や神社仏閣など格式の高い建物に用いられてきた日本以外の国では見られない伝統的な技法です。樹皮を剥ぐ際には樹木の形成層を傷付けず残すことで、樹木が枯れてしまうことなく再び樹皮が成長し、約10年後にはまた檜皮を採取することが出来るという、環境に無理をかけない先人の知恵でもあります。
出雲大社の御本殿を始めとする建物も、多くが檜皮葺きとなっており、先年めでたく完遂しました「平成の大遷宮」の御社殿等の修理には御本殿だけでも約70万枚もの檜皮を必要とし、東は静岡県、西は岡山県に至る全国から集めていただきました。出雲大社の御遷宮は60年毎を目途としておりますが、必要とする檜皮を確保することが今後の課題となっておりました。
そのことを聞かれた田部様から、出雲大社の御遷宮で用いる檜皮は島根県で採取されたものを是非使ってもらいたい、自社が所有する山林の中にヒノキの山があるので、その中に将来の御遷宮に用いる檜皮を採取するための「出雲大社遷宮の杜」を設け、採取された檜皮を奉納して60年毎に繰り返される御遷宮に役立ててもらいたい、とのお申し出をいただきました。
田部様の出雲大社への思いが子々孫々まで受け継がれるよう、この有難いご提案を協定書にまとめ、地元である雲南市の石飛市長、出雲市の飯塚市長の立会いの下、6月20日に雲南市の田部邸におきまして協定書の調印式が執り行われました。
この協定により将来必要とされる檜皮をご奉納いただくことで、やがて来る御遷宮を担う人々への責任の一端を果たすことが出来ました。

基本情報

日 程 令和3年6月20日