演目:山ノ神・山神祭
演目:山ノ神(やまのかみ)山神祭(さんじんさい)
天照大御神(あまてらすおおみかみ)は御弟神の須佐之男命(すさのおのみこと)の悪行を嘆かれ、天岩戸(あめのいわと)にお隠れになり、この世は暗黒の世界となりました。神々は相談され、大御神の岩戸からの再臨のために祭祀を執り行なうことになりました。そこで天児屋根命(あめのこやねのみこと)は、それに必要な真榊を取るため、天香具山(あめのかぐやま)に分け入られます。ところが天児屋根命は、香具山の守護神である大山祇神(おおやまつみのかみ)が不在のため、断りなしに真榊を根こそぎ持ち帰ってしまわれます。大山祇神は怒られ、天児屋根命は捕らえられて、真榊も取り返されてしまいます。しかし大山祇神は、事の訳を聞かれると真榊を譲られました。天児屋根命は、大山祇神に感謝されて「諸々の荒ぶる者を切り鎮め給え」と十握剣(とつかのつるぎ)をお渡しになりました。大山祇神はその剣で東西南北・中央・黄竜を、舞い固められ、再び光り輝く世界となる岩戸開きに共に尽くされて、この世の悪を鎮めることを誓われました。この悪魔切り剣舞は、もっぱら災禍を払い除く舞として尊ばれています。